AutoCADのエイリアスについてお探しですね。

広告

AutoCADで作図スピードを上げたいなら、まず「エイリアス」を覚えよう

AutoCADで図面を描くとき、リボンやアイコンをマウスで探して選ぶ操作でも作図はできます。

でも、よく使うコマンドをキーボードから素早く呼び出せるようになると、線を引く、消す、コピーする、トリムするといった基本の操作がぐっと速くなります。

その鍵になるのが「エイリアス」、つまり短縮コマンドです。

この記事では、AutoCADのエイリアス一覧と使い方、さらに自分好みにカスタマイズする方法まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

1. AutoCADの「エイリアス」って何?使うとどんないいことがある?

AutoCADのエイリアスとは、正式なコマンド名を短い文字で呼び出すための「別名」のことです。

たとえば、線を引くコマンドの正式名称は「LINE」ですが、エイリアスを使えば「L」と入力してEnterキーを押すだけで実行できます。

同じように、円を描く「CIRCLE」は「C」、削除する「ERASE」は「E」、コピーする「COPY」は「CO」や「CP」といった感じで、よく使うコマンドには短い入力文字が割り当てられているんです。

エイリアスを使う最大のメリットは「作業の流れが止まらない」こと

リボンパネルからコマンドを選ぶ場合、目的のタブやアイコンの位置を目で探す時間がどうしても発生します。

でも、エイリアス入力に慣れると、左手でコマンドを入力しながら、右手でマウス操作を続けられるので、作図・編集・確認の一連の動作がとてもスムーズになります。

特にトリム、延長、オフセット、移動、コピーのように何度も繰り返す操作では、この時間の差が積み重なって大きな違いになります。

画面レイアウトが変わっても使える安心感

エイリアスのもう一つの利点は、AutoCADの画面構成に左右されにくいことです。

会社や現場によって、ワークスペースやリボン表示、ツールバーの配置が違うことってよくありますよね。

普段からアイコン操作だけに頼っていると、別のパソコンや別バージョンのAutoCADを使うときに「あれ、いつものボタンがない…」と戸惑うことがあります。

でもエイリアスを覚えておけば、画面レイアウトが多少変わってもコマンドラインから同じ操作を呼び出せるので、どんな環境でも安定して作業できます。

2. 実務でよく使うAutoCADのエイリアス一覧

AutoCADには本当にたくさんのエイリアスがありますが、最初からすべてを暗記する必要はありません。

まずは「作図」「編集」「確認」「表示」に関わる基本コマンドから覚えていくのがおすすめです。

特に、LINE、CIRCLE、OFFSET、TRIM、EXTEND、MOVE、COPY、ERASE、UNDOなどは、どんな図面を描くときにも使う頻度が高いコマンドです。

ここでは、初心者から実務者まで使いやすい代表的なエイリアスを一覧で紹介します。

作図コマンド

| エイリアス | 正式コマンド | 主な機能 |
|—|—|—|
| L | LINE | 線分を描く |
| PL | PLINE | ポリラインを描く |
| C | CIRCLE | 円を描く |
| A | ARC | 円弧を描く |
| REC | RECTANG | 長方形を描く |
| POL | POLYGON | 多角形を描く |
| EL | ELLIPSE | 楕円を描く |
| H | HATCH | ハッチング(塗りつぶし模様)を入れる |
| MT | MTEXT | 複数行の文字を入れる |
| T / DT | TEXT | 1行の文字を入れる |

編集コマンド

| エイリアス | 正式コマンド | 主な機能 |
|—|—|—|
| E | ERASE | オブジェクトを削除 |
| M | MOVE | オブジェクトを移動 |
| CO / CP | COPY | オブジェクトをコピー |
| MI | MIRROR | 鏡像(反転コピー)を作る |
| O | OFFSET | 平行線や同心円を作る |
| RO | ROTATE | 回転させる |
| SC | SCALE | 大きさを変える |
| S | STRETCH | 伸ばしたり縮めたりする |
| TR | TRIM | はみ出した部分を切り取る |
| EX | EXTEND | 線などを延長する |
| F | FILLET | 角を丸める(フィレット) |
| CHA | CHAMFER | 角を斜めに切る(面取り) |
| X | EXPLODE | ブロックやポリラインを分解 |
| J | JOIN | 線を結合する |
| MA | MATCHPROP | プロパティ(色や線種など)をコピー |

ブロック・情報コマンド

| エイリアス | 正式コマンド | 主な機能 |
|—|—|—|
| B | BLOCK | ブロックを作る |
| I | INSERT | ブロックを挿入 |
| W | WBLOCK | ブロックをファイルに書き出す |
| DI | DIST | 距離を測る |
| LI | LIST | オブジェクトの情報を表示 |

画層・表示コマンド

| エイリアス | 正式コマンド | 主な機能 |
|—|—|—|
| LA | LAYER | 画層(レイヤー)を管理 |
| PR | PROPERTIES | プロパティパレットを表示 |
| Z | ZOOM | ズーム(拡大・縮小) |
| P | PAN | 画面を移動 |
| RE | REGEN | 画面を再描画 |
| U | UNDO | 直前の操作を元に戻す |
| PU | PURGE | 不要な定義を削除 |

覚え方のコツ

一覧を覚えるときは、正式コマンド名と日本語の意味をセットで理解すると頭に入りやすくなります。

たとえば「O」はOFFSETの頭文字、「M」はMOVEの頭文字なので、直感的に覚えられますよね。

一方で、TRIMは「T」じゃなくて「TR」、ROTATEは「R」じゃなくて「RO」のように、他のコマンドと重ならないように2文字以上になっているものもあります。

入力しても思ったコマンドが起動しない場合は、今使っている環境でエイリアスが変更されている可能性もあるので、設定ファイルを確認してみましょう。

3. AutoCADでエイリアスを使う基本操作と覚え方

エイリアスの使い方はとってもシンプルです。

AutoCADの作図画面でキーボードから「L」や「C」などの短縮文字を入力して、Enterキーかスペースキーで確定するとコマンドが実行されます。

たとえば線を描く場合は「L」→Enter、始点をクリック、終点をクリックという流れです。

コマンドラインに候補が表示される環境では、入力中に候補を見ながら選べるので、最初のうちは表示を確認しながら操作しても大丈夫です。

効率よく覚えるコツは「使う頻度が高いものから」

最初からすべてのアイコン操作をやめようとすると、かえって作業が遅くなってしまいます。

まずは、線分はL、削除はE、移動はM、コピーはCO、トリムはTR、オフセットはOというように、毎日使う操作だけをエイリアス化して体に覚えさせましょう。

慣れてきたら、回転、拡大縮小、鏡像、ストレッチ、プロパティコピーなどに広げていくと、無理なく作図スピードを上げられます。

左手キーボード、右手マウスの姿勢を作ろう

エイリアス入力では、右手をマウス、左手をキーボードに置く姿勢を作ると効果的です。

AutoCADでは、コマンド実行後にオブジェクトを選んだり点を指定したりする場面が多いので、マウスとキーボードを頻繁に持ち替えるとテンポが落ちてしまいます。

左手だけで短縮文字とEnterかスペースキーを操作できるようになると、画面から目を離す時間も減ります。

実務では「正確さ」と「速さ」の両方が求められるので、エイリアスは単なる時短テクニックではなく、安定した作図環境を作る基本スキルと考えるといいでしょう。

4. オリジナルエイリアスの作成・変更方法と注意点

AutoCADのエイリアスは、標準設定のまま使うだけでなく、自分が使いやすい文字に変更したり、オリジナルの短縮コマンドを追加したりできます。

「acad.pgp」ファイルを編集する方法

代表的な方法は、コマンドエイリアスを管理している「acad.pgp」というファイルを編集する方法です。

バージョンや環境によって表示名は多少違いますが、一般的には[管理]タブのカスタマイズ関連メニューから「エイリアスを編集」を開く、またはコマンドラインで「ALIASEDIT」を実行すると編集画面が開きます。

直接PGPファイルをテキストエディタで編集する場合は、変更前にバックアップを取っておくと安心です。

PGPファイルの書き方

PGPファイルでは、エイリアスを「短縮文字, *正式コマンド」の形式で登録します。

たとえば、COPYを「CC」で呼び出したい場合は「CC, *COPY」のように記述します。

既存のエイリアスと重複していると、意図しないコマンドが優先されたり、使い慣れた操作が変わったりするので注意が必要です。

編集後はAutoCADを再起動するか、「REINIT」コマンドでPGPファイルを再読み込みすると、変更内容が反映されます。

会社で共用パソコンを使っている場合は要注意

会社で共用パソコンを使っている場合や、社内標準の設定がある場合は、勝手に変更せず管理者やチームのルールを確認しましょう。

オリジナルエイリアスを作るときのポイント

オリジナルエイリアスを作るときは、単に短ければいいというわけではありません。

よく使うコマンドほど1〜2文字にして、使用頻度が低いコマンドは少し長くしても問題ありません。

また、標準のエイリアスを大きく変更しすぎると、別の環境で作業するときに混乱しやすくなります。

たとえば「L=LINE」「C=CIRCLE」「E=ERASE」のような基本中の基本は、なるべく標準のまま残すほうが無難です。

自分専用の変更は、標準設定を補助する形で追加するのが実務向きです。

キーボードショートカットとの違い

なお、AutoCADにはエイリアスとは別に、CUIコマンドから設定する「キーボードショートカット」もあります。

こちらはCtrlキー、Shiftキー、Altキー、ファンクションキーなどを組み合わせて、特定のコマンドや機能を呼び出す設定です。

エイリアスはコマンドラインに文字を入力して実行する仕組みで、キーボードショートカットはキーの組み合わせで直接実行する仕組みなので、目的が少し違います。

作図コマンドはエイリアス、パレット表示や画面操作はショートカットキーというように使い分けると、AutoCADをより自分に合った作業環境にできます。

まとめ

AutoCADのエイリアスは、覚え始めは少し面倒に感じるかもしれませんが、一度身につくと作図のたびに効果を実感しやすい機能です。

まずは一覧の中から使用頻度の高いものを選んで、標準エイリアスで操作に慣れてから、必要に応じてオリジナル設定を追加していきましょう。

短縮コマンドを無理なく使いこなせるようになると、画面操作に迷う時間が減って、図面作成や修正に集中しやすくなりますよ。

広告