AutoCADの設定を移行する方法をお探しですね。
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古いPCのAutoCAD設定を新しいPCに引き継ぐ方法
AutoCADを新しいPCにインストールしただけでは、使い慣れた環境はそのまま引き継がれません。
コマンドの配置やワークスペース、テンプレート、印刷設定、カスタムメニューなどがすべて初期状態に戻ってしまい、「あれ、いつもの画面と違う…」となってしまいます。
この記事では、古いPCで使っていたAutoCADの設定を新しいPCにうまく移す方法を、わかりやすく説明していきます。
1. 移行する前に確認しておきたいこと
まず最初に整理したいのが、「何を引き継ぎたいのか」と「AutoCADのバージョンは同じかどうか」の2点です。
同じバージョンのAutoCADを別のPCに移す場合は、AutoCADに標準で用意されている「設定を書き出し」と「設定を読み込み」という機能を使えば、比較的かんたんに移行できます。
でも、たとえばAutoCAD 2016からAutoCAD 2024に移すような場合は、設定ファイルの保存場所や構造が変わっていることがあるので、必要なファイルを一つひとつ確認してコピーする作業が必要になります。
移行作業を始める前に、古いPCでAutoCADを起動して、今使っているワークスペースやテンプレート、印刷スタイル、ツールパレット、カスタムメニューがどうなっているか確認しておきましょう。
特に仕事で使っているテンプレートファイルや印刷設定は、図面の見た目や印刷結果に直結するので、移行漏れがあると後で困ることになります。
新しいPCでいきなり作業を始めるのではなく、古いPC側でバックアップを作って、USBメモリや社内サーバー、クラウドに保存してから作業を始めると安心です。
ちなみに、設定の移行とライセンスの移行は別の話です。
AutoCADのライセンス認証やサブスクリプション、Autodeskアカウントの扱いは、製品の購入形態や契約時期によって変わってきます。
この記事では主に作図環境やカスタマイズ設定の引き継ぎ方を説明しますが、実際にPCを移行する際は、ライセンス規約と認証方法も忘れずに確認してくださいね。
2. 同じバージョンなら「設定の書き出し/読み込み」が便利
古いPCと新しいPCで同じバージョンのAutoCADを使う場合は、Windowsのスタートメニューから使える「カスタム設定をマイグレート」関連の機能を使うのが基本です。
たとえばAutoCAD 2016同士で移行する場合、古いPCで「AutoCAD 2016 設定を書き出し」を実行すると、ZIPファイルが作成されます。
このZIPファイルを新しいPCにコピーして、「AutoCAD 2016 設定を読み込み」で指定すれば、ユーザー設定や一部のカスタマイズ情報をまとめて取り込めます。
**大まかな流れ**
1. 古いPCで「設定を書き出し」を実行して、ZIPファイルを保存
2. ZIPファイルを新しいPCにコピー
3. 新しいPCで「設定を読み込み」を実行して、ZIPファイルを指定
4. AutoCADを起動して、ワークスペースや表示設定、コマンド設定を確認
この方法のいいところは、たくさんのフォルダを探し回らなくても、標準機能で設定を移せる点です。
ただし、すべてのカスタマイズが完全に移行されるわけではありません。
テンプレートファイル(DWT)、一部のプロッタ設定(PC3)、印刷スタイル(CTB/STB)、外部参照しているLISPファイルや独自アイコンなどは、環境によって書き出し対象に含まれないことがあります。
読み込み後に「いつものテンプレートがない」「印刷設定が違う」「カスタムボタンのアイコンが表示されない」といった問題が起きたら、個別にファイルを移す必要があるかもしれません。
設定を読み込んだ後は、ログファイルを確認できる場合があります。
ログには、どの設定が移行されたか、どこでエラーが起きたかが記録されているので、不具合が出たときの手がかりになります。
3. バージョンアップする場合は個別ファイルを確認
古いAutoCADから新しいAutoCADに移行する場合は、「以前のリリースからマイグレート」という機能が使えることもあります。
同じPC内で旧バージョンから新バージョンに移す場合は、この機能でワークスペースや一部の設定を引き継げる可能性があります。
でも、新しいPCへの移行とバージョンアップを同時に行う場合は、古いPCにある設定ファイルを保管して、新しいPCの新バージョン側で必要に応じて読み込む、または手作業で配置する方が確実です。
**個別に確認したい主なファイル**
– **CUIX**:リボン、ツールバー、ワークスペースなどの画面設定
– **DWT**:図面作成時に使うテンプレートファイル
– **PC3/PMP**:プリンタやプロッタの出力設定
– **CTB/STB**:線の太さや色に関係する印刷スタイル
– **LSP、DVB、独自アイコン画像**:マクロやカスタムコマンドで使っている外部ファイル
これらのファイルがどこに保存されているかは、AutoCADの「オプション」画面にある「ファイル」タブで確認できます。
たとえばCUIXは「カスタマイズファイル」、DWTは「テンプレート設定」、PC3やCTB/STBは「プリンタサポートファイルのパス」周辺に保存場所が表示されています。
AppData配下のフォルダは通常の設定では見えにくいので、エクスプローラーで隠しファイルを表示する設定にしておくと作業しやすくなります。
**CUIXファイルの扱い方**
CUIXファイルは、古いファイルを新しいAutoCADのメインカスタマイズファイルとしてそのまま上書きするのは避けた方が安全です。
バージョンが違うとメニュー構造やコマンドの扱いが変わっていることがあり、不具合や表示崩れの原因になることがあるからです。
基本的には、AutoCADで「CUI」コマンドを実行して、「ユーザインタフェースをカスタマイズ」画面の「転送」機能を使い、古いCUIXから必要なワークスペースやツールバーだけを新しい環境に移す方法がおすすめです。
**テンプレートと印刷スタイルの確認**
テンプレートや印刷スタイルは、実際の業務図面を開いて確認することが大切です。
DWTをコピーしただけでは、そのテンプレート内で使っている印刷スタイルやページ設定が新しいPC側に存在しない場合があります。
また、PC3はプリンタドライバやプロッタ環境に依存するため、古いPCと新しいPCで同じプリンタ名やドライバが入っていないと、期待どおりに印刷できないことがあります。
移行後は、代表的な図面を使ってPDF出力や紙出力をテストして、線の太さ、用紙サイズ、尺度、余白、印刷範囲が以前と同じか確認してください。
4. 移行後の確認とトラブルを防ぐコツ
新しいPCにAutoCADの設定を引き継いだ後は、「起動できたから完了」と判断せず、実際の仕事の流れに沿って確認することが重要です。
**確認したいポイント**
– ワークスペースの切り替え
– リボンやツールバーの表示
– コマンドエイリアス
– テンプレートからの新規作成
– 印刷スタイルの選択
– PDF出力
特にカスタムメニューやマクロをたくさん使っている環境では、CUIXだけでなく、マクロが呼び出しているLISPファイルや画像ファイルの保存場所も新しいPC側で正しく参照されているか確認してください。
**トラブルを防ぐための工夫**
古いPCの設定はすぐに消さないようにしましょう。
新しいPCで数日から数週間ほど通常業務を行って、問題がないことを確認してから古いPCのAutoCAD環境を整理すると安心です。
また、移行用にコピーしたファイルは「AutoCAD移行バックアップ_2024年1月」のようにフォルダ名を付けて、バージョン、PC名、ユーザー名が分かる形で残しておくと、後から再設定が必要になった場合に役立ちます。
社内で複数人が同じ設定を使う場合は、共通テンプレートや印刷スタイルをネットワーク上の管理フォルダに置いて、各PCのAutoCADから参照させる運用も検討できます。
**不具合が出たときの対処法**
移行後に不具合が出た場合は、いきなりすべてをやり直すのではなく、どこで問題が起きているかを切り分けます。
– 画面配置やワークスペースの問題 → CUIX
– 図面作成時の初期設定 → DWT
– 印刷結果の違い → CTB/STBやPC3
– コマンドが動かない → LISPやサポートファイルの検索パス
AutoCADの「オプション」内にある「ファイル」タブでは、多くの参照パスを確認・変更できるので、移行作業では必ず見ておきたい画面です。
まとめ
古いAutoCADの設定を新しいPCに移す方法は、標準のマイグレート機能だけで完結する場合もありますが、実際の仕事では個別ファイルの確認が欠かせません。
**基本的な考え方**
– 同じバージョンなら「設定を書き出し/読み込み」を基本に
– バージョンアップする場合はCUIX、DWT、PC3、PMP、CTB/STBなどを丁寧に確認
– ライセンス認証は設定移行とは別問題として扱う
作業前にバックアップを取って、移行後に実際の図面と印刷で検証すれば、新しいPCでもこれまでに近いAutoCAD環境を再現できます。
少し手間はかかりますが、一度しっかり移行しておけば、その後の作業効率が大きく変わってきますよ。
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